名前の由来|誕生秘話|特徴|栽培方法|生まれた風土|希少性|枝豆のルーツ|美味しいゆで方(基本編)|美味しいゆで方(お手軽編)|上手な冷凍保存方法と解凍方法|種と品種|作業風景|だだちゃ豆を使った料理|だだちゃ豆と健康(健康機能性成分)|特別栽培|だだちゃ豆を使ったお土産|だだちゃ豆コンテスト|食べ比べするなら産直施設へ|だだちゃ豆収穫体験レポート
だだちゃ豆は美味しい枝豆、高価な枝豆として全国的に知られるようになりました。ずいぶん前の話ですが女優の中山美穂がビールのCMに登場し一躍知名度がアップしました。テレビ番組でのお取り寄せ品・お土産としてまた健康番組などでも取り上げられています。現在は「鶴岡だだちゃ豆生産者組織連絡協議会」が認定した8品種「小真木」「早生甘露」「甘露」「早生白山」「白山(中生)」「晩生甘露」「平田」「おうら」をだだちゃ豆として認定しています。これによりだだちゃ豆の知名度アップにともない各地での類似品問題に対処し鶴岡市特産としてのだだちゃ豆の差別化を図っています(産地表示のシール等による)。ここではだだちゃ豆とはどのようなものか、またどのようにしてつくられているかどうして高価なのかいろいろとだだちゃ豆について知っていただきたいともいます。
だだちゃ豆の名前にはいろいろな由来があるといわれています。一番ポピュラーな説は「だだちゃ」とは山形県庄内地方の方言で「お父さん」という意味からきているという説。明治時代,当時の鶴岡を治めていた庄内藩酒井家の殿様酒井忠篤公が大の枝豆好きで小真木の太田さんが献上した枝豆に対して「どこのだだちゃ(親父が)がつくった豆か?」と訊ねたところからこの枝豆がいつしか「小真木だだちゃ」とよばれその名がついたといわれる面白く最も有名な説。他には隣県の福島の伊達郡から豆を持ち込みつくったところとても美味しかったため「伊達の茶豆」ともてはやされそれが転じて「だだちゃ豆」と呼ばれるようになった説など他にも諸説あるといわれています。
また種そのものは何処からどのような経緯で流入してきたかもさまざまな説があります。「小真木だだちゃ」のもとになったのは「八里半豆(九里=栗には及ばぬがとても甘いこと)」という良食味品種言われたおります。またその種は新潟県より持ち込まれた(茶香り豆など)という説です。
だだちゃ豆が現在のように安定した形質を得られるようになったのは白山集落の森屋初という一人の女性によるものと言われています。現在のだだちゃ豆の原型とも言われる豆を譲り受け、明治末期1907年ごろから変異的に現れた特に美味しい豆を選抜、育成し1910年ごろに安定した形質を得たそうです。その豆は森屋家の屋号を取り「藤十郎だだちゃ」と呼ばれ現在の「白山だだちゃ」の原形となりました。それ以後集落内の女性たちの努力により集落内外に広まり現在にいたっています。平成14年8月には森屋初さんや普及に協力した女性たちの功績をたたえる記念碑が建立されました。
生誕の地大泉地区白山集落内にあるだだちゃ豆記念碑
だだちゃ豆には他の枝豆よりも多くの甘み、うまみ成分が含有されていると研究結果からわかってきました。甘さの主成分は糖類の「スクロース」と遊離アミノ酸の一種「アラニン」でうまみはグルタミン酸によるものです。糖の成分であるスクロースが含まれるだけでも甘みを感じますが人が味として感じることのできる水溶性アミノ酸であるアラニンがほかの品種よりも多く含まれることでさらに甘みを感じます。うまみ成分のグルタミン酸は化学調味料であるあじ〇素にエルグルタミン酸として含まれることからもわかります。グルタミン酸とアラニンは塩分によって引き立てられることもわかっておりゆでる際の塩やゆでた後の振り塩は甘みと旨味を引き立てています。そのことで市場関係者に腐っている思われたこともあるという苦労話も残っています。
茹でている最中は含まれている成分が溶け出すこともあり甘く独特な香りを漂わせます。また畑で生育中でも収穫期を迎えるとだだちゃ豆の匂いが漂います。
研究をしている山形大学農学部の阿部教授によると他の枝豆に比べ甘み・旨味成分になる遊離アミノ酸が非常に多くたんぱく質の成分バランスも良く栄養面でも優れているそうです。見た目には表面に薄い茶色のうぶ毛があり、2粒莢中心でひと莢の豆と豆の間にはくびれがあります。またさやの片側がほとんど平らで反対側が大きく膨れているとも言われています。それにより見た目はよくなく、美味しそうに見えないと思われがちです。しかし味と見た目のギャップもだだちゃ豆が持つ魅力のひとつです。
だだちゃ豆を一番おいしく食べるのであれば新鮮なうちにゆでて食べるのが一番です。
ゆで方には多少の差はあるでしょうがここでは基本的なゆで方をご紹介いたします。
だだちゃ豆は茹でるまでは生きています。数日間保存するのであればゆでてから冷蔵庫で保存してください。
生で保存するよりも鮮度があるうちにゆでれば冷蔵庫保存でも十分おいしくいただけます。
1 鍋などの洗い桶に豆を入れ少なめの水で入れゴシゴシこすり、毛を落とし数回水で洗い流します。
2 洗った豆をザルにあげて水気を切ります。
3 大きめの鍋に水を入れ(豆の量の約3~5倍)沸騰させ、大さじ1の塩を入れます。
4 沸騰した湯の中に豆を入れフタをします。
5 約2~3分間高温で一気にゆでます。必ず再沸騰させます。豆の莢が少し開くとちょうどよいですが、ゆでながらお好みの硬さにゆでて下さい。鍋に豆を入れたら強火で短時間で茹でてください。
6 好みのかたさになったら素早くザルに上げ、さっと水をかけた後、皿などに移します。塩を少々ふり、混ぜ広げます。その後すぐにうちわや扇風機であおぎ熱を冷ます(なるべく早く冷ますようにします。茹でたままにしておくと変色してきます)。またうちわや扇風機を使わずに冷水で冷ましてもよいと思います。冷水のほうが枝豆の色が鮮やかに出ます。あまり冷ましたあとに塩をふるとまんべんなく塩が広がらないので冷ましすぎには気をつけて下さい。
7 冷蔵庫で保管する際にはしっかり冷めてからポリ袋等に入れて圃存じます。
注意点
・完全に沸騰させてから豆を入れてください。
・ゆですぎると味が落ちるので時間と豆の硬さを確認しながらゆでて下さい(好みかたさでゆであげるように味見をします)。
・ゆであがった豆はとても熱いので火傷にはくれぐれも注意してください。
ゆであがっただだちゃ豆
1 鍋などの洗い桶に豆を入れ少なめの水で入れゴシゴシこすり、毛を落とし数回水で洗い流します。
2 洗った豆をザルにあげて水気を切ります。水はできるだけしっかりと切ります。
3 大きめの鍋に豆500g、水200cc、塩大さじ1を入れ全体をかき混ぜ水と塩をなじませます。
4 フタをして5~7分火にかける。
5 ゆであがり後、基本的なゆで方6と同様に熱を冷まし塩をふる。(3のときに塩を多めに入れるとゆであがり後塩をふらなくてもよい) 。基本的なゆで方と同様に冷水で熱を冷ますと豆が水分を多く含み豆が軟らかくなりますので熱を冷ます際もご注意下さい。
注意点
ゆでる際、またゆであがった豆を触る際にはやけどに十分注意してください。
このゆで方(蒸し方)は独特ですが失敗の少ない方法です。この方法は人の好みがはっきり出ます。やり方にもよりますが全体的に少しやわらかめにゆであがり見た目も若干基本的なゆで方に比べると劣ります。ただし基本的なゆで方と違いゆで汁に旨み成分が溶け出すことが少ないので旨味を豆に閉じ込めるゆで方になるかもしれません。お試しの際は十分ご検討ください。
一度に食べきれなかった人へ上手な冷凍保存方法です。届いただだちゃ豆は3~4日がおいしく食べられる限度期間です。保存すれば味は生のものより落ちますが後でおいしく食べることができます。それ以外には今のところよい方法が考えられません。他の方法やもっとおいしく冷凍保存できる方法がありましたら是非お教えください。
だだちゃ豆炊き込みご飯 ~だだちゃ豆ご飯はやっぱり薄皮入りが美味い~
準備するもの 精白米3合、だだちゃ豆(多すぎずにお好みの量)、酒小さじ×2、しょうゆ少々、砂糖少々、塩少々、出汁
- 電気炊飯器で精白米3合を炊く手順で炊飯器に米3号、水(米3号分よりほんの少し少なめ)を入れる。
- だだちゃ豆を鍋で軽くゆでる(美味しいゆで方のページを参考にしてください)。1~2分で短めに。
- ゆでただだちゃ豆をむく(内皮を残すと旨みが増しますよ)。
- 1で準備したものにただだちゃ豆と酒、しょうゆ、砂糖、塩、だしを入れる。
- かるく全体をかき混ぜ、炊飯器のスイッチを入れ炊飯開始です。炊きあがったら出来上がりです。
だだちゃ豆の味噌汁 ~秘密の県民showでカニの味がすると紹介された逸品~
準備するもの 味噌(できれば白)、だだちゃ豆、だし
- 生の豆をよく洗い毛を落とします。
- 各ご家庭で調理する手順で味噌汁を作ります(一煮立ちさせなくてもだいじょうぶ)。
- 2に豆を入れます(お好みに応じて)。
- 豆を食べてみてゆであがっていれば完成です。
だだちゃ豆おかき
だだちゃ豆フリーズドライ
だだちゃ豆カリント
だだちゃ豆カステラ
だだちゃ豆クッキー
だだちゃ豆プリン
だだちゃ豆アイス
だだちゃ豆うどん
だだちゃ豆フィナンシェ(だだちゃ豆右衛門シリーズ)・我が家の枝豆もご使用いただいています。
だだちゃ豆パイ
だだちゃ豆コンテスト
日本で唯一のというとなんかかっこいい感じがします。それほど大げさなものではないですが世界で唯一のコンテストです(笑)。以前は大泉地区のJA女性部の間で自分の家で取れただだちゃ豆を持ち寄りコンテストをしていました。当時はまだ、だだちゃ豆生産がそれほど盛んではなくそういった余裕もあったことは事実でしょうが、今年の1位はどこの人とかこの家はつくるのがうまいとかいろいろと話し合われていたそうです。昔もそれだけ美味しいものを作ることに熱心でした。現在はどちらかといえばだだちゃ豆生産が盛んでコンテストをしている暇がないというのも事実ですが、このコンテストを通して意識が盛り上がりより一層おいしいだだちゃ豆生産につながることを考えJA大泉支部青年部で企画しました。残念ながら2回やって休止中です。主催していた立場としては残念ですが、ぜひ復活させたいものです。
第1回 平成16年8月 JA鶴岡だだちゃ豆収穫感謝祭 於 庄内観光物産館駐車場
初めての企画で、なおかつ短期間での準備での開催となりました。開催が日曜の昼時で物産館に訪れたお客さんも多く以外に参加者がたくさんいたのでうれしかったです。応募総数は22件。結果は1位と3位が大泉地区のもので2位がお隣黄金地区のものでした。たくさんの人に参加してもらいましたが準備不足で投票までの流れが悪く、投票総数はおもったより伸びませんでした。JAの担当の方などにはイベントの仕切り方や進め方に問題ありとお叱りをいただきました。
第2回 平成17年8月20日 JA鶴岡だだちゃ豆収穫感謝祭 於 庄内観光物産館駐車場
前年の反省を踏まえての開催だったはずでしたが開催する時間、表彰の方法、などなどまたも問題たくさん発生。一番の問題は出品数が去年よりも減ったこと。結局は準備期間からイベント開催時までだだちゃ豆の収穫を中心とした作業が忙しいことでした。人も出品も減り苦労しました。出品は減りましたが試食していただいた方や投票総数は昨年を上回るものでした。今年の1位は黄金地区の豆、2位3位は大泉地区のものでした。ちなみに我が家のは3位でした。
だだちゃ豆収穫体験を承っております。ご興味のある方はメールにてお問い合わせください。
期間:だだちゃ豆収穫期間中
場所:だだちゃ豆畑
費用:お一人様3,000円(1㎏のお土産付き)
内容:畑で収穫をし、家に戻って莢をもぎ取りします。ご希望の方はその場でゆでて食べましょう。
過去の収穫体験の様子(ご家族様2015.7.26)
過去の収穫体験の様子(お付き合いされている両名様2015.9.4)